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子宮蓄膿症

みなさんこの病気の名前は耳にされたことはございますか?当院でもよく遭遇する病気で、手術も頻繁に行っています。今回はこの子宮蓄膿症についてご紹介いたします。

子宮蓄膿症ってどんな病気なの?

子宮蓄膿症とは、大腸菌などの細菌が雌犬の膣から侵入・繁殖した結果、子宮内に膿がたまり、状況によっては死に至る怖い病気です。症状は元気・食欲の低下、嘔吐・下痢などの消化器症状、多飲多尿などがあります。陰部からの排膿や発熱、お腹が膨らむなどの判り易い症状を認めるのはむしろ少ないかもしれません。子宮は本来、細菌感染を防ぐ仕組みになっています。しかしこの仕組みが崩れやすくなる時期があります。それが黄体期(発情出血終了後の時期)です。黄体期は受精しやすくなるよう、つまり膣内に進入してきた精子を攻撃しないようディフェンスが甘くなります(これがいわゆる免疫機能の低下です)。精子が攻撃を受けにくい、という事は雑菌も攻撃を受けにくい状態なのです。しかも黄 体期は(受精卵を守るために)子宮の入り口である子宮頚管が閉じていて、進入した雑菌が繁殖しやすい状況となっています。つまり、ワンちゃんの生理(発情出血)が終わったこの時期が一番、細菌が進入・繁殖しやすい為、子宮蓄膿症に注意が必要なのです!またこの時期はいわゆる想像妊娠(偽妊娠)が見られ易い時期でもあります。最も分かりやすいサインが「おっぱいが張る・乳汁が出る」事ではないでしょうか。この他、巣作り行動や情緒・食欲不安定、吐き気・下痢などの消化器症状、皮膚病が悪化しやすい等の兆候があります。
不妊手術をされていない女の子のワンちゃんの飼い主さんがよくされるお話です。「ウチのコ、生理いつきたか分からないのよ。でも最近おっぱいが出たり時々ゴハンを残したり吐いたりの」。。。これは発情サイクルの乱れ・偽妊娠の兆候かもしれません。一般的に偽妊娠兆候を発情のたびに繰り返す、又は偽妊娠の兆候が長期間見られるワンちゃんの場合は子宮蓄膿症のような雌性疾患を発症するリスクがとても高いといわれています。この病気はネコちゃんでの発生率はワンちゃんほど高くはありませんが不妊手術をされていない場合はやはり注意が必要です。

治療・予防法は?

病気がわかった時点で出来るだけ早く、膿の溜まった子宮と卵巣を手術して取り除きます。同時に抗生剤投与や点滴などの内科的方法を併用して治療の後押しをします。 状態によっては手術ができない場合もありますが、内科的治療のみで生涯にわたり再発せずに完治することはかなり難しいです。この病気は手術に勝る治療はありません。 予防としては避妊手術が一番で、ほぼ100%子宮蓄膿症を発症せずに一生過ごせます。
もし、交配や妊娠している可能性がある場合は、先述の理由で子宮疾患に罹りやすい時期でもあるため必ず定期的に病院で検診を受けましょう。


クレッセ動物病院 看護士 原田

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