食物アレルギー
食物アレルギーは、人間だけでなく、ワンちゃん・ネコちゃんにも起こる病気だとご存じでしたか?アレルギーは場合により、命に関わることもある危険な病気なのです。今月はこの食物アレルギーについて、ご紹介いたします。
食物アレルギーとは?
食物のある成分に対して、体内の免疫システムが過敏に反応してしまう病気です。
どんな食物が原因となるの?
個体により原因は異なりますが、主にタンパク質が原因と言われています。又、米や芋など炭水化物源として知られているものでも、5〜10%はタンパク質のため、食物アレルギーの原因となることがあります。
どんな症状が起こるの?
皮膚の痒みなどの皮膚炎や外耳炎、下痢・嘔吐などの消化器症状が認められます。
どんな場合に疑われるの?
1歳未満の場合。うんちの回数が多い場合。季節に関係なく痒がる場合。口や眼のまわり、背中など食物アレルギーによる皮膚炎の出やすい部位に炎症が起きている場合。などが疑われます。
治療は?
症状に応じた対症療法も行いますが、一番は食事療法です。原因となる食物を与えない事が大切で、療法食での食事管理を行います。療法食では、アレルギーの原因となりにくい原材料を使用していたり(食物アレルギーは初めて食べたものに対しては起こらないため、珍しいタンパク質に限定)、あらかじめ消化・分解(加水分解)されたタンパク質を使用し、免疫反応を起こしにくくしたりと、様々な工夫がされています。
食物不耐症との違いは?
食物アレルギーと似た症状を起こしますが、食物アレルギーと異なり免疫が関与しません。又、年齢・品種に関係なく発症します。タンパク質だけでなく、他の栄養素や、添加物までも原因となることが知られています。治療は、食物アレルギーと同様、食事管理が一番です。
クレッセ動物病院 院長 西山 寛